インスタに書いた詩の記事も、もうパート4になりました。今回、腰を壊して寝たきり状態の時書いたものの詩が多く、反応を頂くたび、負の感情を詩に昇華することって、健康的なことなんだなぁと思った次第です。今回インスタ全部読んでる組用に書きおろしを2つつけていますよー。いつもありがとうございます。
ではどうぞ!
遠くから空の便り。「南南西の魔術師さんが、自転車で明日に帰って行くような空です。翅のような雲。これが私の王国。深緑の冠姫Yより」
RE:ありがとう。:今度ドラゴンを1匹チャーターして行きます、炎系と風系どっちがいいか教えてくださいね。一緒に乗って、恋々花のはちみつを買いに行こう╭(๑•̀ㅂ•́)و
南南西の魔術師より。
東北の友人が、きれいな空を見つけると、写真をDMで送ってくれる。ありがとう。
藍に小指で空けた穴、向こう側にいるんだろう?"ジジイ"。
地べた這いずるこの錠前。知ってるはずだ、俺は月とか盗んでねぇ。
その"覗き穴"から視てんだろう?
なんの間違いだこの荊。
なぁジジイ、外せ。この枷を、この錆を、この轍《てつ》を。
この枷は、なんで、どうして、いつから。
北北東の風の中、通りすがった竜が哀れんで問う。
「願い事は?」仰ぐと全て遠かった。灰の中、半分埋まりながら泥を吐く。
「晩飯おごってくれりゃーいいよ」
そうかい頑張れよ。
と三つほど握り飯がチェックのランチマットに包まれてふってきた。
俺はパン派だよまったく。
悔しい時は、精一杯憎まれ口を。
煉瓦の家は間に合わない。鼻先に当てろ。
そいつは英雄なんかじゃない。
おい庭守、星を降らせ、糸を垂れろ。露を辿れ、逃げろ、逃げろ。
北極星のジジイを訪ねろ。蠅は一匹だけでいい。唾吐きかけて護れ。
誇りを捨ててでも、護るとき。
ひらり鼻先掠め、赤いリボンの後ろ頭と青い空。下校途中、草いきれ。
アイスクリンの風鈴遠く響く土手のこと。
「そうだ天文部の合宿ね…」赤い尻尾ふわり。振り向いて眩しく笑う。
俺は…。
「頭に金魚ついてるぞ」
「ポニテって言ってよ!」
ひらひらと2人夏風かきわけ。サイダーのような午後。
***
ビョウ、後ろ頭殴るような熱風。星語商店街アーケード中央。女々しく星占いの切抜き御守に、待ち合わせ場所に急ぐ俺の脇抜けた。
「風洞竜《ふうどうつかい》だ!」
町の奴ら口々に願い事。追うと捲れた空の先、竜の雲道が貫く。火花が遠く弧描いてた。
――願い事を叶えてくれるとしたら、竜よ、この恋よ。
≪連作≫
その言葉を使わずにその言葉を表現という縛り付きで書いたもの。こちらのお題メーカーをお借りしました。縛り付きでまた書こうと思う。違う頭使うのが楽しい。
ちなみに女の子の方のssは「泳ぐ」を使わないで泳ぐを表現。男の子の方のssは「走る」を使わないで走るを表現。というもの。
男の子の方は帯刀《たてわき》くんといいます。天文部のお話もいつか書きたいですね。
明星軸に戻りゃぁ休みが倍だぜ?…そそのかされた俺がバカだった。
突風ーー"大きな船"の欄干から放り出された地点は、夏の終わりの10日前の軸だった。
こんなことならあのまま西極《さいはて》を目指しときゃぁ…。
もういい、遠い明星。夏は終わらせない。俺はおもむろにポケットから小型波音帳を取り出し、軽快な明けのしらべに乗せてあちこちをほぐしはじめた。湿気た土、朝の匂いに渡る雲。
***
西に還る竜。 待ってくれ、俺も、俺も乗せてってくれ。
***
通りすがりの鴉がギィ。
俺は西極《さいはて》も金のボタンもどうでもよくなりつつあった。
.
嘴で"装置"を投げてよこし、鴉はこういった。
ギィ『ボクは重力屋』『西極まで道を通してやる』『ほら』ダイヤルは"穹"。
ぐるん。刹那、天は地に、雲は大地に『銀貨5枚でどう?』
俺はしばらく地上を見上げ、なんか思った。
("金のボタン"なんか、ねぇのかもな…)
≪連作≫
金ボタンの彼の物語ですが、夏の詩をいっぱい書くぞーと思って、前回夏休みの始まりのとこで終わらせていましたが、わたしの腰がようやく治って、歩けるようになったら、もう夏が終わっていたので、一篇目の詩は、夏の終わり、3回だけやったのラジオ体操の感想でした。
あーあ。まぁしょうがない。それにしても当たり前の毎日って素晴らしい、いつもありがとう。
ひとつ、ふたつ、しあさって。おーい、そこの祈りと願い。
眼を瞑ると、子七星《ちいななほし》こぼれた。
すると続いて空飛ぶ箒、「爽快だぜェ?」と駆けてった。
鼻の先かすめる露草のしっぽ。無数の弧、藍に投げて架けろ。
そうだ手のひらから、何処へだって行ける。
小型プラネタリウム組み立てキットなるものの感想の詩。すごいなぁ、宇宙を作っちゃった神さまみたいだって思った。
書きおろし。
おおロミオ、ロミオはどうして蔦なの。
おおジュリエット、ジュリエットはどうして給湯器で2人もいるの。
仲良さそうな3人。
帰る家って、いつ生まれる。俺が生まれたずっと前。
おふくろたちの帰る家。おふくろのおふくろ、ずっと前。
卵が生まれたのはいったい いつだ?
夕空を撫ぜて、コップに注げ。
なんてことねぇ毎日。絵筆の先の、彩のような日々。
暮れる、暮れる、今日も。――明日は?
帰る家がある生活って、とんでもなく幸福な事だと思う。ニンゲンたちは、棲むため、暮らすために生きてるのだなぁと感じる。
要介護になるたび、自分は今まで、歩けて、走れて、描けて、書けて、駆けて、なんて幸福で、そのありがたみを忘れていた、バカたれなんだろうって、悔しくて涙が出ます。
もっと毎日うれしくてたまらない感じで、暮らせたんじゃないか?って、ひたすら天井を見上げながら過ごす。
幸いわたしは、ずっと寝たきりにならずに済んでるので、体が動く日常のありがたみも、体が痛くて動かない惨めさも、半分は意味が分かって書いたりできるので、漫画や物語で、この大切さを、伝えられたらいいのになって、すごく思う。
長々とお読みくださり、ありがとうございます。
▼この記事を書いた人▼
▼バックナンバー▼