お久しぶりです。詩が書き溜まってきたなぁ…と思いつつ前回の詩まとめから2年弱も空いてしまった。
詩の記事には前々回から、書き下ろしのショートエッセイを何本か挟むようにしています。一般的に意味が分からない文章が1000字以上連なると、読者って頁をはぐるのをやめてしまうものなので…。
わたしの詩作スタイルは、意味がわかるように書かないのだけど、(「詩」は「心理の解説」ではないので)「意味が分かる文章」で閑話休題した方がきっと最後まで読んでくれるのでは…と。
今回、詩の部分だけカウントすると2200字ぐらいだろうか。ここから時系列も関係なし。余韻と読みやすさをさらに重視した配列にしてあります。
今回の書き下ろしは少々変わり種というか、入院中起こった実体験の怖い話がおまけとして登場します。よくあるパターンの怪談だし、多分あまり怖くないので、怪談が苦手な方も、立ち寄って楽しんでいただけたら嬉しい。
詩の方にはたまにグレーの小さい字で一言雑感も混ざりますよ。
*目次*
- ショートエッセイ1「正月、雑煮をいじめぬけ‼」
- オタク女の自由律俳句コーナー!
- ショートエッセイ2「コアラのパン屋」
- 【体験談】入院中あった怖いオマミ。
- 2022年度金澤詩人賞に入選していました。
- 夏の終わりに。
空くんと単九郎。
#給水タンク #写真で奏でる私の世界
反旗を翻せ。
詩ではなく画像キャプションになっちゃってるのも混ぜてます。
じゃあな、クソ田舎。
#写真で奏でる私の世界
鳳凰は西へと翼広げ──。
#写真で奏でる私の世界
西はすべて左にあると思ってる勢。
ショートエッセイ1「正月、雑煮をいじめぬけ‼」
世界中の歯車がギィギィギィ。踏みつけにする。すぐバレる嘘をつく。なんとなくやり過ごす。聞こえないフリをする。
全てに関わろうとしなければ、世界中いてもいなくても変わらない。
今それが、わかったんだ。
やっと、わかったんだ。
なんか、わかったんだ。
天動説だろうが、
8年後滅ぶ予定の、青い星だろうが。
台風の日に窓から発った原稿用紙。
書き出しは、なんだっけ? 世界中イージー。
一枚の紙切れがへらへらへらへら笑う。
バカどもは今日も読みもせずいいねいいねいいいいね。
海に浮かぶ権利のない、手紙の詰まってないペットボトル。
宛先のないポリ袋。自称詩人の貴様。
オタク女の自由律俳句コーナー!
ジャン・バルジャン
ジャン・ジャン・バルジャン
ジャン・バルジャン
春だ、恋だ、革命だ、戦争だ、
俺の合コンさしすせそだ!
さ・左門豊作
し・は?知ってるけど…?
す・怖い話していい?
せ・醤油とって
そ・そこの醤油とって
嫁が美人のスケバンである左門。
拝啓、クーラーのリモコンさま。お元気ですか。
貴方が旅立ってから幾年月経ったことでしょう?
蒸し暑い夜、貴方の涼やかさばかり思い起こし、身を火照らせています。
出来ることならば、眠れない夜、今すぐあなたのもとに駆けて行きたい。
この身が燃え尽きる前に、出て来て下さい。お願いします。 猛暑中三日も…
死骸はどこに爆ぜた?
夏みたいに消えてしまった。
漄に消えてしまった。
散り散りになって、
夏になってしまった。
#誘蛾灯
井瀬きゅん~!山口きゅん~!(੭ु ›ω‹ )੭ु⁾⁾♡
無駄に良い画数である井瀬きゅん~!
憧れの苗字ランキング寺ばかり
西園寺莢一、
西園寺莢一、
西園寺くんスゴ〜イ!
西園寺くん寺〜!
西園寺くん俺のヒモ〜!
少女革命ウテナの推し。
#いいねの数だけ絵を描くときのどうでもいい情報を話す/タグより。
***
紀元前のこと(わたしの世界観で20歳ぐらいの意)、
クソ田舎のあぜ道で露出狂にであった記憶が、
育ちの悪いサツマイモ。
(作画の話はあまり関係ない)
#自由律俳句
ほんとうにこのぐらいの赤さとサイズだった。
世界の縁で、詩を詠もう。
詩の海だけは、ゴミが浮いてない。
世界中燃えてしまえと叫んで気が済むのなら、吐いた方がいい。
ただ罵ってるわけでなく、溺れながら、ただ溺れていよう。
いまはボクの痛みなんか知るか。名を成す為に、終えないために、果ての先に、終点へ、次の世界へ。
いまは包帯から滲む、赤茶けた汁でいよう。ボクのギフトは返って来ない。
返ってくるのは言い訳ばかり。
ボクはニンゲンどもが大嫌いだ。
ボクはニンゲンたちを愛したいんだ。
ボクはニンゲンどもが大好きなんだ。
ボクはニンゲンどもが、大っ嫌いなんだ…。
大好きだから、大っ嫌いなんだ…。
海の生まれ変わりの、ボクと空。
ショートエッセイ2「コアラのパン屋」
仲のいい老夫婦が昔から経営しているパン屋がある。安くて味はあか抜けている。今から2年ほど前のことだったろうか?店頭にクイニーアマンが登場した。これが超うまい。
正直コアラぐらいは記憶力が定かでないような夫婦だったが、わたしのキャラ立ちにより、ギリギリ認識されていた。いつも売り切れてしまったあとにしか店によれず、たった一回食えたきりの思い出がどれほどのものか、来店するたびに伝えていた。
ある日のことだった。
「明日クイニ―アマン焼くよ。朝のうちならあるから」
コアラ嫁のたれ込み情報により、その日は遠足の前日のような、眠れない夜を過ごした。…が、翌朝には疲れ果て、すでに面倒くさくなっていた。しかし「行きます」と伝えた時点で、これは「約束」なのだ。わたしの美学として、口約束だから簡単に破ってよいという発想はない。
「いらっしゃい!」
なんとなくコアラたちに気を使って、買えた瞬間はしゃいでみせてしまった。なんだか少し自分が嫌いになった。帰りの道すがらかじったクイニーアマンは思っていたより普通だった。すでに記憶の中だけで輝きすぎていたのだろう。
「遠足の前日みたいな気持ち」だなんて、きっとわたしはわたしに嘘をついていた。ほんとうは寝そびれただけで、最初からこんなの面倒くさかったんだと。
ただ青いだけの朝の空を仰ぎ、誰に言うでもなしに「ばからし…」と呟いた。
よくよく考えたらコアラ呼ばわりは文脈にまったく関係ないただのdisだった。コアラの生態についてはこちらの動画がとても愛溢れてて、面白いですよ。
やがて砂丘となるだろう。
きっと自分はたくさんのひとを傷つけたのだ──
たまにシーツをかぶって下界へ降りる。
そしてすぐに逃げ帰り、幾千年も恨み言ばかり。
どうして仲間に入れてもらえないのだろう。
どうして一斉に、礫を投げつけてくるのだろう。
だからきっと自分はたくさんのひとを傷つけたのだと。
ボクはどうしてこんなところに蹲っているんだ?
ニンゲンたちが大っ嫌いな、ボクと俺。
遠く天辻から、誰かの声がうっすら響く。
遅いんだよ。もう遅いんだ。全てが今更。ここは深い深い真っ暗闇。
誰の声も届かない淵の墨の水底。
ボクもお前らが大っ嫌いだった。
仲間外れのコウモリ。
絶望の理由は語らない、暗褐色の花弁のようだから。
もうその宝物は壊れてしまった。
壊れてしまった、
壊れてしまったのだから。
緑の友よ、青い青い光の旅。
次の便の軌道に乗れ。月の売店で萩の月を買って来てくれ。
破産するほど、買って来てくれ。金は再会した時、渡すから。
少しずつツケにしてくれ。来世も、そのまた来世も、訪れてもらえるように。
Good-bye Good-night
今日はおやすみ。
遠い遠い、環る旅路へ。
今年は、大気がしましまになるんだって。桜は空と入れ替わって、水色に咲くんだって。だから歩こう──
そうだスケジュールを空けておこう。西暦3023年の1月30日9時。水色の花散るこの丘で、またきれいな嘘をついてあげる。
友を送り出す唄。
【体験談】入院中あった怖いオマミ。
ここから病棟にて実際に体験した怪異のような何かの話をする。起こったことだけを書いているので、オチというオチはない。
2023秋のこと。わたしは2週間ほど検査入院をしていた。
ある臓器の機能がゴミカスで、そのあおりで自然治癒力もゴミ。わたしが上京した理由はこの難病に詳しい医者探しだった。
初日、不味くて吐いた。
そしてこの難病の日本一の権威であるクソデカ大学病院にねじ込んで、身体のあちこちを検査してもらう展開になった。この規模の病院でないと、難しい病気すぎて、まともに診れる医者がいないのだ。
「この機会に身体中の検査をして下さい」このような取り付け方をしたので、ほんとうにあちこち診てもらった。
看護師たちとわたしは一切反りが合わず、なるべく会話しないようにしていた。中でも耳たぶに洗濯挟みのような器具を取り付けて酸素量を測る検査には難儀した。
魅せてやるよ、院内コンビニの底力をよ。
わたしの酸素量は、データとしてナースセンターに逐一転送される。この器具が耳から外れると、10分程度で看護師が飛んできて、夜中であれば、抜き足差し足で侵入してきて、そっと挟み直そうとする。
わたしという神経の塊を起こさずに成し遂げた甲賀の忍などひとりもおらず、寝てるところを曲者に侵入され、寝起きで機嫌も悪いので、毎回揉めた。
まるでIDチップで奴隷が管理されているディストピアのようだった。この検査は24時間×1週間強続いた。早く帰りたい…。
入院中の唯一の癒しだったTV版銀河鉄道999。ちなみにわたしの推しは一瞬の命揺らめく機械伯爵。
──ある日の消灯後のことだった。よく見ると酸素量の計器のバッテリーが切れかけていた。このまま寝てしまうと、また面倒くさいことになる…。
時刻は午前2時ぐらいだったろうか?そっと消灯後の病棟に出た。
消灯してしまうと結構暗く、当直の看護師は、懐中電灯や小さなランプをナースワゴンに乗せて移動する。
(ナースワゴン/撮影許可,掲載許可済)
廊下の手すり沿いの足元に1.5m感覚で小さな間接照明、そして常夜灯であるナースセンターから落ちる、深い影だけの世界。
──ナースセンターには誰もいなかった。疲れて控え室で休憩してるのだろう。いよいよナースコールを押したくない。緊急という訳でもないので、出来るだけナースコールは使いたくなかった。
困り果ててキョロキョロしていると、遠くにナースワゴンを押している看護師の姿を発見した。消灯後は音を立ててはいけないので、早歩きで静かに追う。
角を曲がった先でだいたい追いつけた。看護師はわたしに全く気づいてない風で、入口をカーテンで仕切ってるだけの、小さな部屋にそのままスゥ…ッと入っていった。
すぐに追いかけた。が…
(アレッ…??)
──入口のカーテンが半分ぐらい閉まっているその小部屋は真っ暗だったのだ。
今しがた入っていったはずの看護師も、見えるところにはいなかった。
この小部屋は多分予備道具室みたいな感じだろう。廊下の薄明りが仄かに輪郭を映す中、予備のナースワゴンがテキトーな角度で何台か置いてあるのが見えた。
(どこに行った…!?)
ここでわたしは変に冷静に、この看護師の行方について2つのパターンを考えた。
1)道具室のわきに隣の一人部屋に抜ける小さなドアがついていて、すでに隣に移っている。
2)暗闇の道具室の半分閉じているカーテンの影にランプも使わずに潜んでいる。
2)を思いついた時点でにわかにゾーっとした。
そして何故か「怖い」という思いよりも、パターン1だったら問題がない(?)んだから…と、道具室の隣に位置する一人部屋─612号室を確認しに行った。
たいていの病室のドアは細いガラス窓がついている。中で患者が倒れてたりしてないかの、確認用窓である。
────隣の一人部屋を薄目でのぞくと、確かに先ほどの看護師とおぼしき姿が見えた。
(…(´>∀<`)ゝな~んだぁ)安堵が辺りを包む。
下記のような間取りの病室なのだけど、少し向こう、カーテンが半分空いていて、生命維持装置的な管が山ほど通された患者の様子が見て取れた。しわだらけのガリガリに痩せた腕だった。
なんとなく、このひとは昼間、ストレッチャーで運ばれてきた、しんどそうだった爺さんなのではないか…と思った。どうしてそう思ったかはわからないけど、わたしがそう感じるということは、きっとそうなのである。
エレベーターホールで見かけて、あまりにもしんどそうで、すれ違ったあと、わからない涙がボロボロ零れてきて困ったのだった。
そして、くだんの看護師はというと、この位置で何をするでもなしに、ただ────手をだらんと下げ、カーテンの向こうの重病人を、遠巻きに見ているだけ。
夜の巡回であれば、管が外れてないか、容体に変わったところがないか、必ずチェックに入るはずなのだけど、少し俯いたまま微動だにしない。薄気味悪くなって、看護師に気取られないよう、少しずつその場を離れ、早歩きで自分の病室に戻った。
もう一度全ての記憶を思い起こしてみる。そういえばナースワゴンをドアの前で一旦停止してから入室するような、看護師然とした動作は道具室に入る時から見た覚えがなかった。
***
アホくさいことに、結局ナースコールを使うしかなかった。( ᐙ )
その夜は、特に反りが合わない看護師が当直だったので、少し取り乱した風を装い、わたしの語彙力のすべてを叩き込み、コイツに先ほどの怪異?の話を喋り倒して、青ざめているのを確認してから、心の底からスッキリして寝た。怪談って楽しいなぁ!
***
翌日、朝メシのデカい運搬ワゴンが病棟に活気を連れてくるタイミングで「道具室脇に隣の一人部屋に抜ける小さなドア」がついてるかどうか確認しに行った。
怪談話あるあるとして、怪異が起こった現場に戻りたがる命知らずの体験者、というのがよく登場する。これまで「何故戻る…」と嘘っぽさに突っ込む側だったのだけど、今なら分かる。怪異が気のせいだったことにしたいから確認に戻るのである。
そして、例の爺さんが死んでたら嫌だな…とも思うので、そういうのも見に行った。
──小さなドアなんてついてなかった。
「後で聞いた話によると…」という枕詞で、他人の生き死にが語られる病院怪談はとても多い。病院関係者が語り部でないのであれば、個人情報ガバガバの病院か、話を盛っているのだろう。まともな病院であれば他人が死んだ話なんか漏らさない。
表から見る限り、爺さんの部屋はまだ使われていた。
わたしは一般患者なので、ほかの患者の安否なんて確認しようもなく、ただ、この部屋の爺さんが、死んでないか、生きているか。全く分からない状態で、毎日見に来て、毎日気にしていただけ。そしてたいしたオチもなく退院の日を迎えた。
──それにしても、わからないのが
例の看護師の風貌、髪型、背格好、性別……どうやっても、なにをやっても、不思議なぐらい思い出せないのだ。専門バカの映像記憶能力をもってしても、思い出すことが出来ないまま、これを書き終えようとしている。
この看護師が怪異だったらいいなと、いまにして思う。しんどかった入院中唯一の面白かった思い出が奇聞奇談の類だったらうれしい。時に、視えない世界の住人たちは、外れもののわたしの気持ちに寄り添ってくれる、同胞のような存在でもあるからだ。
わたしは怪談という世界を愛している。
了。
退院祝い。
ラジオでも語っています。録りおろし。
2022年度金澤詩人賞に入選していました。
→http://bach2.sakura.ne.jp/kanashi19.pdf
夏の終わりに。
青く青くちぎられてバラバラ、ここは空っぽ。
水のない水底でせめて叫ぼう。
世界中に見捨てられた、ボクのために。
ボクのためだけに、声枯らしてうたをうたおう。
もしかして、果てが、果ての果てが、
ひとりぼっちの海を、満たしてくれるかもしれない。
叫ぼう。ボクの、ボクだけの、特別な、物語を。
行こう、まだ約束なんかしてない約束を果たしに。
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*ついでに萌えもいかがですか?!*
note.comヘッダ消えてるんで、こっち転載しよう。
▼お題募集すると、ほぼほぼラブラブした話になってしまう▼
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